私のリハビリについて  2009年6月8日
 
 
はじめに
 
  多くの友人から要望があったので、私は大腿骨頭壊死からの機能回復について、私のリハビリの経過を簡単に、ありのまま
 に報告します。
  私は2004年2月20日に外傷を負い、2007年7月1日に仕事に復帰しました。この果てしなく長い3年ちょっとの
 間、明けても暮れてもリハビリで、この期間にはたくさんの戸惑いもあり、茫漠として、答えを探すことなどとてもできませ
 んでした。そしてまた、私のリハビリにもたくさんのミスやら、足りない点があって、それらを改善しながら続けたのです。
 前半は専門的な知識が足りなかったり、リハビリに対する認識が十分でなかったり、筋肉の萎縮がわりとひどかったりで、後
 半は時にリハビリをやりすぎたりで、結果として長時間痛みで具合悪くなってしまいました。 
  専門家に教えてもらうのはたやすいことだったのですが、それでも突き当たった数多くの問題は、ただ私自身が延々と考え、
 身をもって知るしかなかったのです。なぜなら私は私自身が体験して知ったことだけが最も良く理解できたからです。
  ここにそれらをあらいざらい報告して、皆さんの討論及び参考に供したいと思います。どうか読まれた方が時間の無駄だっ
 たと感じませんように、それが私の願いです。
 
  実は股関節の機能をどうやってリハビリするかについての文章は、既に今までの人がたくさんまとめていて、ネット上には
 たくさんあって、とても良いと思います。私のブログでも、北亜整形外科病院の「股関節の機能トレーニング及び注意事項」
 を引用していて、友人達からの評判が良いです。なので、リハビリで私が体験上知り得たことについては、私は早くから頭の
 中で構想していましたが、しかし、新しく書き加えることは大して多くないとずっと感じていたのです。だから拙い文章です。
 しかし私は既に、私がリハビリの中で身をもって知ったことを書くと、病気で知りあった友人達に約束してしまったのです。
 ですから私は言っただけだと思われたくはないのです。そこで、まずリハビリの経過を想い起こしてから、その体験をまとめ
 ました。それではこれから書いていくことにしましょう。
 
 
私のリハビリの経過
 
  私はケガによる大腿骨頚部骨折での手術の後、動きを制限したり、傷口の痛みや、不安などが原因だと思いますが、手術後
 半月で筋肉がたるんでいることに気がつきました。使わないことによる筋肉の萎縮がこの時から始まっていたのです。それか
 ら引き続き3ヶ月近くベッドに横になっていた間、私のリハビリはそれほど積極的なものではなかったのです。ケガ、そして
 手術、それにストレスや便秘、消化不良や食欲不振などの症状もあって、私の体力は完全に不足していたのです。なので、ベ
 ッドの上で、くるぶしの関節や足の指の屈伸といった、筋肉を収縮させるちょっとした運動をやりました。それらはいつも膝
 の下に枕をあてがって、5〜10度くらいに持ち上げた中立位でやったのです。家族はマッサージをしてくれたりとか、私の
 運動を手伝ってくれたりしましたよ。
  3ヶ月以降車椅子に座れるようになって、松葉杖も使えるようになりました。ケガをした足を床につけないようにして、室
 内で立つ練習をしました。歩くのは多くは歩きません。
 
  およそ5ヶ月くらい経ってから私は自分で4圓離螢魯咼衢僂離Ε┘ぅ箸鮑遒蠅泙靴拭7獲僖螢絅奪のベルトを使ってコメ
 袋をきつく縛って、15僂領悗砲靴董△るぶしの所に巻きつけます。それから背もたれのある椅子にきちんと座って、足を
 水平に持ち上げます。くるぶしにはウエイトを巻いてありますよ。そして膝上、膝下から爪先まで真っ直ぐ伸ばして、その状
 態を維持して筋肉が疲れてきたら降ろします。毎日1回か2回、30分ほど途切れずに、こんな風に繰り返しやるんです。
 このような運動で、大腿四頭筋の筋力を強くして、筋肉の萎縮の進行を軽減することができます。私は2年ほど、ずっとやり
 ましたよ。入院していた間、病院にはこのようなリハビリの器材があったので、砂袋は使いませんでした。北亜整形外科病院
 に入院していた時のことを覚えています。その頃はリハビリの器材が整っていなかったので、私は看護師の祝 艶輝さんにお
 願いして砂袋を作るのを手伝ってもらいました。一緒に入院していた友人達とみんなでリハビリをしたんですよ。
 
  北亜整形外科病院に入院していた前半は、私達はリハビリの図鑑に従って始めはベッド上でのリハビリが主でした。一番多
 かったのはベッドの上での空中自転車こぎです。方法はこうです。ベッドで仰向けになって足を空中に上げて、股関節と膝を
 同時にかわるがわる曲げ伸ばしするんです。いつも回数を数えながら、だるさと疲れを感じるくらいまでやり、その疲れの度
 合いを自分なりの基準にして毎日リハビリを続けました。
  ここから思いついて私は「松葉杖を突いて、立ってする空中自転車こぎ」を自分で考案しました。具体的なやり方は次の通
 りです。立って松葉杖を突きます。壊死がある方の股関節と膝関節を曲げて、できるだけ上に持ち上げます。そうしてから力
 を入れて、下の方、後ろの方へと空中に蹴るのです。私はこうしたらベッドに横になる必要も無いし、手軽にたやすくできる
 と思います。それに、広い場所を探して、みんなで一緒に楽しみながらリハビリできますよ。私はこれを「一百下」*注1と呼
 んでいます。結構役に立ちますよ。試してみてください。ただし、これは片側だけが壊死している患者だけできる方法です。
  *注1・・・一百下
     一百下は100回という意味です。瀟ねえが実際に100回やったのかどうかは分かりませんが、それほど多くの回
     数を反復してトレーニングしたということなのでしょう。
 
  幅の広いゴムのベルトを買ってきた友人もいますよ。横になるか、座るかしてゴムベルトを爪先か膝の所にかけて、手で両
 端を引き寄せるんです。関節にかかる圧力を増やすことで関節機能のリハビリを助けるんです。皆さんも試しにやってみたら
 どうでしょうか。
  それから私が考案したリハビリには、何かに手でつかまってするスクワットもありますよ。手すりや窓辺とか、ストールに
 つかまってやっても、手軽にいつでもできます。スクワットの回数は続けて5〜15回くらい。まぁ、適当ですね。
  注意:しゃがんでから起き上がる時には骨頭への負荷が倍増します。なので、やりすぎてはいけません。この運動は
    病状が許すかどうかによって判断しなければいけません。骨頭が修復して再建されていく時期にはやってもいい
    ですが、壊死が進行する時期にはやってはいけません!
 
  その他の運動、例えばベッドに横になって足を真っ直ぐ伸ばして高く持ち上げるとか、4字下圧*注2とか、足を開いて外側
 に広げたり、膝を抱きかかえるとかなんかもやっていいですよ。自分でリハビリをするのは理学療法が終わってからするのが
 良いでしょう。十分休憩して、疲れを良くとってからするようにしたら、体中の関節や筋肉が柔らかくなって更に良い効果を
 実感するでしょう。
  *注2・・・4字下圧
     ベッドに横になって右脚を伸ばします。左脚は外側に広げて、その膝を曲げて
     脚先を右脚の膝関節の上に載せます。そして左脚の膝関節を押さえつけます。
     押さえつける力を持続させて、筋肉が疲れてくるまで行います。
     左右交互に、毎回3〜5回を毎日2〜3分、3セット〜5セットやります。
     椅子に座って行う方法もあります。
 
 北亜整形外科病院に入院していた後半には、松葉杖を突いての歩行訓練を増やしました。悪い方の足に適度の負荷をかけて、
できるだけ正常な歩容を保つようにします。歩くのは短い距離から始めてだんだん増やしました。少ない時で100m、多い
時で1000mくらいです。夕方の時間を選んで廊下を歩くことが多かったですね。毎日1回か2回、だるさと疲れを感じて、
その疲れの度合いが自分なりの基準に達するまで歩きます。たまにちょっとだけ軽い痛みもありました。
 2006年3月15日に北亜整形外科病院を退院した後、次第に松葉杖を使わなくなりました。それから、私のつれあいが
私の為にエアロバイクを買ってきてくれて、私はいつもそれで運動していました。毎日4劼らいこいで、汗ビッショリにな
りました。少ない時で2辧多い時には1度10劼海い世海箸發△蠅泙靴拭だけど、やりすぎでした。足が数日痛くなって
しまったんです。普段の家事労働は間違いなく全身のトレーニングになりますよ。座って洗濯することも習慣になりました。
また、時には家の中での歩行訓練もしました。応接間の窓から台所まで12mあるんですが、毎回500mくらいは歩きました。
行ったり来たりの回数は爪楊枝を置いて数えたんですよ。
 
 私は思うんですが、家で養生に専念しているか、入院して治療している人は十分な時間を利用できますよね。なので、身体
の他の所に何かの疾患があったら、同時にリハビリしていくとかが、いくらでもできるんじゃないでしょうか。私は頚椎の体
操や、腕を振り、胸を広げる運動もやりましたよ。首から肩、背中の筋力を鍛えることができます。腰が悪い人はベッドでう
つ伏せになって、5点式とか3点式、飛燕式の運動*注3で腰や背中の筋肉を鍛えることができます。(簡単に言うと、おなか
をベッドに付けて、頭、肩、手足をできるだけ起こしてやる運動です) 私の好きなのは顔を上げて直立し、おなかをへこま
して胸を張って、両手を軽やかに後ろに振る運動です。このような運動で美しい体型を保つことができるんですよ。
 *注3・・・5点式、3点式、飛燕式の運動
    5点式の方法は、頭と両肘及び両脚のかかとを支点にして、頑張っ
    て腰を上に向けて突き出して、お尻を持ち上げます。右図の(1)
    腰や背中の筋力が強化された後には、頭と両脚のかかとの3点を支
    点にしての3点式で行うことも可能です。右図の(2)
    飛燕式の方法は、ベッドにうつ伏せになり、両手は後ろに伸ばして
    おきます。力を入れて胸を突き出して上半身をベッドから離します。
    同時に膝を伸ばして両脚をベッドから持ち上げます。
    いずれの運動も力を入れた姿勢を3〜5秒保ってから、休息を3〜
    5秒取って1セットとします。右図の(4)・(5)・(6)
    もし、運動の翌日痛みやだるさ、こわばりなどを感じたら症状を重くしないために、運動の強度や頻度を減らすか
    中止しなければなりません。腰をひねったりしないために、運動の時には急に力を入れたりしないようにします。
    足腰が急に痛くなった時には直ちに運動を停止して、休息しなければいけません。さもないと元々ある症状を重く
    する可能性があります。
 
 夜寝る前に私が「拉長」*注4と呼んでいる習慣があります。方法はこうです。両手でベッドの上端をつかんで、頭をベッド
の上の方へ、脚をベッドの下の方へ伸ばしていく、それを数回行うんです。私の想像ですが、股関節をリラックスさせて、筋
肉を緩める効果があって、股関節の狭窄の予防になると思っています。とても簡単なので、私はいつもやっていますよ。(笑)
私はそれを牽引運動と思っていますが、効果がどれくらいあるかは分かりません。でも、気にしてはいません。
 *注4・・・拉長
    拉長は引っ張って伸ばす、というような意味です。身体をリラックスさせていくためのイメージトレーニングみたい
    な感じでしょうか。
 
 実は私がここで皆さんについでに言いたいことは、整形外科の分野のケガや、骨折の後にはリハビリが大変重要だというこ
となんです。ケガをしてから半年の間、私にとって一番苦しかったことは、腕の橈骨(とう骨)を骨折した後のリハビリでし
た。ギブスをして1ヵ月半後にそれをとった後、肘の関節はひどく曲がっていて、真っ直ぐに伸ばせなかったんです。
 障害が残らないようにする為に、私は毎日2回、それはそれは苦しいリハビリをしました。痛くて辛くて、涙が止まらなく
て、苦しさのあまり、うめき声を上げていたんです。ある時などはリハビリの時に強烈な痛みがあって、なんと反射的に目の
前に星が飛んで、物がはっきり見えなくなってしまいました。ビックリした私は、すぐつれあいの携帯に電話して助けを呼ん
だんです。彼はその方面の有能な専門家で、私に説明して慰めてくれたので数分後には快復しました。手のリハビリのやりす
ぎは腕とか、指とかの痺れも引き起こしました。末梢神経を傷つけた・・・・・ということだからでしょう。
 “何になっても良いけれど、病気にだけはならないように”と言いますが、病気になったら悪いことは重なるもので、連鎖
反応ですね。だけど、もしこうした辛いトレーニングをしていなかったら、今の私の手は絶対に、間違いなくおかしな形にな
っていましたよ。
 
 以上が私のリハビリの主な経過です。自分の感覚に頼るしかなかった時がとても多かったんですよ。望むような効果が出る
かどうかも分からなかったしね。専門家にも聞きました。友人達とも相談しました。けれどいつも、どのようにしたら一番良
いか、はっきり答えを聞くことはできませんでした。ただ原則を言うだけだったんです。感覚で意図を汲み取ることはできる
けれど、言葉で伝えることは難しいものです。患者一人ひとりの病状はみんな違うので、リハビリの方法も型にはまったもの
ではだめなんです。
 ここで私はリハビリに関して短い言葉でまとめました。「だるさと疲れを感じる度合い、その自分なりの基準」という言葉
です。この言葉をしっかり押さえておけば大丈夫ですよ。
 
 
おわりに
 
  以下に私が身をもって体得したことと原則をまとめました。
 
1.大腿骨頚部骨折や大腿骨頭壊死は病期が長く、リハビリがとても重要です。長期間身体の動きも減ってくるので筋肉や腱
 (スジ)が萎縮して、関節が硬直し、靭帯(じんたい)も癒着して厳しいことになります。手術、投薬、理学療法、リハビ
 リと何一つ欠けてもだめなのです。身体的な運動があって初めて生命活動が成り立つんです。生命活動のあらゆる段階で適
 度に脳を使い、手足を動かすことが身体を健康に保つ為にとても良いことなのです。
 
2.大腿骨頭壊死の進行状況などの病状が違えば、リハビリの方法も違ってきます。ケガがまだ癒えていなかったり、壊死の
 進行期の場合は基本的に負荷をかけないようにして、患部は動かさずに、身体の他の部分を動かして鍛えます。運動と休憩
 を両立させて筋肉と骨の両方に注意を払いましょう。壊死した骨頭の修復期では骨梁が成長してきます。適切な負荷を与え
 て骨梁を刺激して成長させ、硬くします。もし骨梁の30%が修復されたら、杖なしでの歩行ができます。逆にあまりにも
 大事にしすぎると治癒を延ばしてしまうことになるでしょう。つまり、負荷をかけるべきではない時期にはかけない、かけ
 るべき時期にはかけるということです。きちんとそのタイミングを捉えましょう。
 
3.リハビリは段階を踏んで着実に進むのを原則とします。時間は最初は短く、だんだん長く、回数は最初は少なく、だんだ
 ん多く、運動の程度も最初は小さく、だんだん大きくします。リハビリの方法もだんだんと種類を多くしましょう。もし関
 節の隙間が既に狭くなっていて、可動域が狭かったり、骨頭が潰れている人は骨頭にダメージを与えることがないように、
 力任せに無理やり引き寄せたり、押し広げたりするようなことは絶対にしてはいけません。
 
4.リハビリにとって一番良いのは、あなたの病状を理解している医者の指導の下に行うことです。私の体験から言うと毎回
 だるさと疲れを感じるくらいまで1日中リハビリをしていると、夕方にはたまに少し痛くなることがあるかも知れません。
 でも、翌朝には元のように快復して具合が悪いという感じはなくなります。これは運動量がちょうど良いということを示し
 ているんですよ。もしリハビリをやりすぎたり、又は歩いて疲れすぎたりして痛みが出てしまったら、それは治まるまで半
 月はかかります。半月以上経っても痛みが減らないようなら、病状が悪化している可能性があるかどうかを考えて、注意し
 なければいけません!
  
 最後に、時間をつくってここに来て、お読みいただいてありがとうございます。
 皆さんが健康で、全てがうまくいきますように!
 
 
                                        2009年6月6日初稿
                                        2009年6月8日完稿